雑感



演劇の練習に参加していると色々感じることがあり、ここの読者にとっても役立つかもしれないと思ったことを書いておきます。

例えば、大道具で屋台を作ったとします。

そして、自分たちの好きな屋台を作ったとします。
しかし、それは情報を受ける側にとって、「これは屋台だ」という情報しか入ってきません。

では、屋台を作るとき次のようなことを考えてみてはどうでしょうか?

「この屋台は古いものなのか?」
「この屋台は最近できたものなのか?」
「この屋台は繁盛しているのだろうか?」
「この屋台は寂れているのだろうか?」
「この屋台は笑いを取るために置くのか?」

例えばいかにも古そうな屋台を作ると、受け手にとっては「これは古い屋台だ」という情報が入ってきます。
普通の屋台を置くより、見ている人にとって、屋台のイメージが掴みやすくなるのではないでしょうか。
このように付随する情報を上手く利用することで、受け手に対する情報の伝わり方は良くなると思います。

演劇に限らず何かを発表する場合、発表する側にとって「伝えたい情報」は色々あるんでしょうけど、「伝えるべき情報」はもっと大事にしないといけませんよ。
相手を説得することができなければ、結局相手はあやふやのままなんだし。

本番で使われるであろう落書きだらけの屋台を見て、勿体ないなあと感じたのはそのためです。



もう一つ。
発表する「相手」を明確にすることも大事です。

例えば、自分がステージに立った場面を考えてみてください。
そしてどんな人が観客なのか、顔を想像してみましょう。

さて、さっき想像した観客の方々は、自分が発表する内容を気に入ってくれると思いますか?

受け手が誰であるかによっても、自分が伝えるべき情報は変わってきます。
そしてそれは、自分が伝えたい情報だけを考えていると分からないことでもあるのです。

きたのかいの場合、観客は一体どんな層が集まっているのでしょうか?
「ワイドゆう」でも宣伝していることですし、僕は大学生と一般の演劇好きな方々、だと考えています。

昨日は音響に「BUMPの曲かけて」という依頼があったのですが、大学生にウケても一般の演劇好きな方々にはウケるとは思えないので、BUMP好きな僕でも依頼を受け入れたくなかったのはそのためです。



正直、今のきたのかいには上のようなコトを言える人はいません。
自分たちの好きなコトをやろうとしている感じなんです。
それが本当に間違っているかどうかは分かりませんが、上のようなコトを考えることで、もっといい発表になると思います。
そしてそれは、演劇だけでなく、発表全体にも言えることだと思う。


…先輩が練習を見たら、もっと厳しいコメントを出していただろうなぁ(汗)