ネタ披露

今日は、秋田県 ペンネーム・TSUNAMU さんからの投稿作品を紹介します。
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「昼の連続ラジオ小説」



時は2005年10月。普段はエロ動画ばかり見てる大学生も、株の取引を職業にしているディーラーも、このときばかりはパソコンの画面に注目していた。
あの人の会見がはじまるからだ。

堀川「この度はお忙しい中、ごそくろういただきありがとうございます。
一部報道で今日の発表が前もって伝えられていましたが、事実と違う部分も多少ありましたので、正確なところをお伝えさせていただきたいと思います。

この度、わが社、株式会社ライブふすま秋田県立秋田高等学校風紀委員会とで、業務提携をさせていただくことになりました。
まず、この提携に至った経緯ですが、わが社の現在の経営状況から簡単にご説明させていただきます。
わが社は、インターネットを使った、金融、商品の販売などを行っており、一部専門家などから、『まだ若い企業だ』などとやゆされることもありますが、一歩一歩段階を踏んでビジネスを展開してきた結果、皆様に認知されるほどの規模になったのだと思っております。
報道などでの私の言動から、それは編集などによって歪曲されてる部分がほとんどなのですが、やや極端な、かたよった企業なのではないかと思われてるようですが、それは私の著書や、もっといえば私がいままで行ってきた仕事のプロセスなどから総合的に判断していただくと、わかっていただけると思っております。

さて、私たちライブふすまは、情報通信産業を基盤とした仕事をしており、もちろんそれは世間でいう最先端を実行していることは、皆さまがたにも異論はないと思います。
10年前には考えられなかったような世界が、パソコン、あるいは携帯電話などでかいま見ることができます。
ここからが私どもに対する皆様の誤解というか、私どもが今までおおやけに強調することができなかったことなのですが、私どもはけっして技術だけを追求してきたわけではないのです。
技術の反対に位置する心、そう、和の心とか、真心とか、心とつく言葉はたくさんありますが、私は心というものも、これからの技術の発展と同じくらい、もしくはそれ以上に重要視していきたいと思っております。

私は会社の上にたつ人間として、社員の精神的支柱になりたいと思っており、普段の社員との会話などからも、心の大切さをわかっているつもりです。
そして、わが社のユーザーである皆さまがたとも、顔が見えない場合がほとんどなのですが、画面などの製品の向こう側にある心を感じ取っていきたいと思いながら、日々業務を行っている毎日です。

さて、わたくし自身のことを長々と説明させていただきましたが、提携先となる秋田県立秋田高等学校風紀委員会の紹介もさせていただきます。
秋田高校は1873年、外国人格闘家のダベサ・ンダンズガーが、酔拳太極拳と並ぶ世界3大拳法の1つ、秋田拳を明治天皇の前で披露したのを記念して建てられました。
秋田拳立が秋田県立と表記が変わったのは、緒方拳がまぎらわしいので名前を変えてくれと訴えたのがきっかけといわれています。

秋田高校を有名にしたエピソードとしては、甲子園出場の際、現地まで徒歩で行ったのはいいのですが、途中で疲れてきて、バットを杖のかわりに使って、高野連に厳重注意を受けたという話もあります。
最近では元巨人軍のクロマティの打率計算法の講演なども行われており、『他力本願』『ぶんぶくちゃがま』の校訓を忠実に守っていると地元でも評判の学校です。

風紀委員会は、校内で古くさいことばかり言っている『老人会』の中にある組織で、国会で道路交通法ができたのと同時に作られました。
全国で唯一、校舎の中に『風紀標識』があり、それはタレントのみうらじゅんさんによって描かれました。

さて、具体的な提携内容ですが、
1、生徒の上履きにライブふすまのロゴを入れる
2、購買でライブふすまのえんぴつ、消しゴムなどの文房具を売る
3、職員には、ライブふすま製品の割引をする
などを考えております。

その他のことは、順次発表していきたいと思っています。以上です。」
敏腕秘書甲部「では、次に質問を・・・・・・・」

プロ野球、競馬、メディアの次は学校と、ライブふすま、堀川のとどまることは知らない。

第一話 完